エルメスのポリシー
エルメス「ケリー」
しかし、エミールは、エルメスの馬具店としてのブランド時代を過ごしてきた事を、忘れたわけでなく、逆に積積極的に馬具作りで培ってきたノウハウをバック・カバン作りに活用したのです。
そして結果として、このことがエルメスを現在も他社を寄せ付けないバック作りの超有名人気ブランドとして君臨させているのです。
どうしてかと言うと、馬という大きな動物は人間では及ばない大きな力蛾あり、その力で疾走したり、場合によっては戦争で人が乗って敵と戦う事もあります。
これは人間がその革で作られた道具を使用する場合にその道具にかかる力よりも、何十倍も、場合によっては何百倍もの力がかかるので、いい加減な作り方をすると、すぐに壊れて使い物にならなくなってしまいますので、馬具などはこの様な使われ方を想定して丈夫に作られています。
かと言って、馬具は馬という生き物がそれを装着して使うので、馬が傷付くような事は絶対にあってはならないことなのです。
ですから使用される革の性質、作り方、仕上げは、あくまでも馬を傷めることがないように考えて、又、乗っている人間の乗り心地や、安定度が悪いとこれまた使い物になりませんので、慎重に丁寧に作られなければなりません。
この様に馬具は皮革製造技術の中でも他のものとは別格の高度な技術が必用にすります。
ところで、1892年にエルメスは馬に使う鞍を入れるためのバックを制作しますが、、これを「オータクロア」と言って、実はこのバックが後になって世界中の女性の憧れとなる「ケリーバック」の原型になっています。
つまり、あの「ケリーバック」は元々は鞍を入れるバックから生れたバックなんです。
とは言っても「オータクロア」は鞍を入れると言うより、主に旅行用のバックとして使われました。
「オータクロア」のクロアとはベルトのことで、この時点でバックの留め金の部分をベルトで播いた「ケリーバック」の原型はすでに完成していました。
単に古い考えだけに固執せず、実用性が高まるなら、新しい技術を率先して取り入れますが、基本はしっかりと守っていくということが、常に流行後れにならず、時代の最先端を行く超人気ブランドになったとおもいます。
バック&カバン
バック&カバン
エルメスブランドを代表するバックといえば、「ケリー」と「バーキン」になるのではないでしょうか。
エルメスのバックの中でも一段違う「ケリー」、このバックはモナコのグレース・ケリー王妃に由来しています。
そのエピソードは、1956年にアメリカの写真雑誌「ライフ」の表紙となったグレース・ケリー王妃が、妊娠していることを気付かれないために、持っていたバックでとっさにお腹を隠していた事から、このバックに注目が集まりました。
当時、そのバックはエルメスで「サック・ア・クロア」と呼ばれていたもので、「オータロクロア」を小型にし、女性が日常持ち歩けるようにしたもので、これが今のエルメスを代表するブランドバック「ケリー」になりました。
グレース・ケリー王妃は「サック・ア・クロア」の実用性の確かさと、その品質の高さ、使い込むほどに輝きを増すバックだったからこそ、常に愛用していてそれが話題になり、いつの間にか「ケリー」という愛称が正式な呼び名になったのではないでしょうか。
したがって、もし、この時グレース・ケリー王妃が違うバックを持っていたら、「サック・ア・クロア」のその後の歴史は代わっていたと思いますが、それでも「サック・ア・クロア」はエルメスを代表するブランドになっていたと思います。
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